Oculus PC SDK 0.7が8月20日（日本時間21日頃）にリリース
Oculus VR社がOculus PC SDKの新バージョンである0.7のリリースを予告しました。
Oculus VR社がソフトウェアのリリース日を事前に予告するのは今回が初めてということからもその重大さが窺えます。
1年ぶりのメジャーリリース
バージョン番号こそ0.7ですが、Oculus VRのブログではメジャーリリースと呼ばれています。現在の最新バージョンは0.6.0.1ですが、これは去年7月にDK2の出荷と同時にリリースされた0.4.0から幾つかの新機能を追加したバージョンで、ドライバやAPIなどは整理こそありますがアーキテクチャはほとんど変わっていませんでした。
DK2向けの0.4.0では'Direct HMD Access Mode'という新しいモードが追加されました。これはOculus RiftをOSのモニタドライバでは無く独自ドライバで駆動させ、より低遅延・低残像で動作させるために作られました。しかし、独自ドライバのため不具合があったり、PC構成によっては動かせないという問題もありました。そのため、動かないPC構成向けにOculus RiftをDK1の頃と同じくモニタとして動作させる'Extended Display Mode'が用意されていました。しかし、こちらもスマホ用の液晶を流用しているため縦長ディスプレイ扱いとなり回転機能を使う必要があるなどDK1の時には無かった新しい問題が出ていました。
Direct Driver Mode
0.7ではExtended Modeが廃止され、新たに'Direct Driver Mode'が追加されることが告知されています。これはOSとグラフィックスドライバに用意された標準のVR機能を用いることで、Direct HMD Access ModeとExtended Modeにあった問題点が解決され遅延も削減されるとのことです。その代わりに、Direct Driver Modeが動作するGPUはNVIDIAの場合はGeForce GTX 645以上（Kepler世代以降）、AMDの場合はRadeon HD 7730（GCN 1.0世代以降）が必須とアナウンスされています。
これは、過去にNVIDIAとAMDがそれぞれ発表していたNVIDIA GameWorks VR（旧称VR Direct）とAMD LiquidVRの対応GPUとも重なるので何も不思議は無いでしょう。また、Oculus Rift CV1の推奨動作環境はGeForce GTX970（Maxwell世代）・Radeon R9 290X（GCN1.1世代）なのでOculus Rift CV1発売時の最新GPUを用意すれば全く問題ありません。
Oculus PC SDK/Runtime 1.0リリースとそれまで
今回はOculus PC SDK 1.0（正式版）の予定も初めて明かされました。今年11月リリース目標で、1.0ランタイム以後のアップデートでは1.0 SDKで開発されたアプリケーションの動作も保証されるとのことです。
ですが、1.0リリースまでのバージョンアップでは開発を早めるため一つ前のバージョンまでしか動作はサポートしないという告知もされています。0.7の場合、0.6か0.6.0.1を使って作成されたアプリしか動作しないということです。
開発者の方は0.7もしくは0.6.0.1へ早期にアップデートを
0.7では上記Direct Driver Modeにより動作上の問題点が大きく減る予定ですが、その一方で古いSDKで開発されたアプリケーションは全く動作しない恐れがあります。そのため、開発者の方は0.7がリリースされたらすぐに対応するか、今のうちに0.6.0.1にアップデートしておく必要があります。
UE4ユーザーの場合はOculus PC SDK 0.7を内包したバージョンがじきにリリースされる予定で、Unity 5.xユーザーの場合はVRサポートで抽象化されているのでとくに対応作業は必要無いとのことです。（どちらも既に0.6.x対応済み）
しかし、Unity 4.x（もしくは5.0でIntegration Pluginを利用している）ユーザーの方は0.6.0.1プラグインにアップデートする必要があります。Unity 4.x向けにも将来のSDKがリリースされるとのことですが、記事の通りUnity 5.x＋VRサポートへの移行を考えた方が良いでしょう。
C++ SDKを利用して独自にエンジンを作っている方も分からないことがあれば
で相談し0.7へアップデートしてほしいとの事です。
